山田健悟
地方テレビ局の石川テレビ(金沢市、フジテレビ系列)が制作し、昨年10月から公開されたドキュメンタリー映画「裸のムラ」のアンコール上映が各地で増えている。肖像権をめぐり、石川県の馳浩知事が映画を問題視したことで再注目される格好となった。
「裸のムラ」は、昨年3月に行われた石川県知事選をメインの舞台に、谷本正憲前知事や馳知事、森喜朗氏を取り巻く人々の「忖度(そんたく)」や男尊女卑の空気感をとらえようとした映画。同10月8日、東京の「ポレポレ東中野」と金沢市の「シネモンド」を皮切りに、今年3月までに計39館で上映された。
一方、映画をめぐり、馳知事が自身や県職員の映像が使用されていたことに、「肖像権の取り扱いについて、倫理的に納得できていない」と今年1月の定例会見で突如批判を始めた。馳知事は、石川テレビの社長が定例会見に出席して議論することを求め、応じなければ定例会見を開かない考えを示した。実際にその理由で3月の定例会見を開かず、以降も開いておらず、議論を呼んでいる。
そんな中、4月以降、東京、福井、大阪、広島の計6館で再上映や初上映が決まった。県内初上映となる福井では、福井市のミニシアター「福井メトロ劇場」で、20日から1週間上映される。石川や富山での再上映は、現時点では決まっていない。
「裸のムラ」の配給会社「東風(とうふう)」の担当者によると、ドキュメンタリー映画のアンコール上映は珍しいといい、「一連の騒動後、『見てみたい』との声を多く頂いている。可能な限り応えていきたい」と話した。(山田健悟)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル